合科型・池の野外学習にぴったり

 『Song of the Water Boatman and Other Pond Poems (Bccb Blue Ribbon Nonfiction Book Award (Awards))』は、池に住む生物の生態学習に最適の詩集絵本である。11編の詩が池の自然を歌うと同時に自然学習へのきっかけ生み出す発火役を務める。国語と自然科学が合体した理想的なノンフィクション絵本は、もっともっと出てきて欲しい分野の絵本だろう。(さしあたり、現在主人のクラスが学習している海辺の自然は続編として出て欲しいところかな。)巻末に用語解説がつくので、これもいい。
 もちろん、詩だけでも十分に堪能できる。凛とした版画が池と周辺世界を克明に描き、芸術の中に自然美がそのまま表れている。主人も何編か使いたいと言っていた。
 毎年、娘の小学校では学校全体で市内南西部にある保養地の池を訪ね、森と池の生態学習をしていた。(悲しいかな、過去形。)昨年同伴して「使用する教材が難しすぎる」と感じていたのでこれならぴったりと思ったのに、残念ながら今年は予算が取れず野外学習は実現しなかった。
 予算といえば、本日の職員会議で来年度予算について討議があったそうだ。お金のある学校とまったくない学校――米国では公立でも、親の支援度、地域の差が学校運営に100%反映される。移民家庭が6割を占める小学校で、家庭に教育支援を求めるには無理がある。加えて、薬物・アルコール中毒で扶養義務が遂行できない家庭だったり、シェルター住まいのホームレス家庭だったりと、いずれにしても学校側が援助を提供している場合がほとんどという状況である。だからこそ、教師陣が一体となった支援教育ができているともいえるのだけど。助けを必要としている子どもがいると思えば、人間誰だって燃えるものだから。
 脱線してしまったけれど、こういう学校だからこそ、言葉の学習に基礎を置き、科学、歴史、地理、算数など他科目に発展させる合科型学習は必須にしたい。(asukab)

Song of the Water Boatman and Other Pond Poems (Bccb Blue Ribbon Nonfiction Book Award (Awards))

Song of the Water Boatman and Other Pond Poems (Bccb Blue Ribbon Nonfiction Book Award (Awards))