きんのたまごのほん

 今年の復活日は4月半ば。今週から大斎節(レント)が始まったというタイミングだったけれど、「イースターの本がいい」とリクエストが出たので『きんのたまごのほん』を読む。娘はすでに原書『The Golden Egg Book (Big Little Golden Book)』で読み、内容をよく知っていた。
 それにしても廉価なイメージのあるゴールデン・ブックス・シリーズが、紙質のいい豪華大判になると見違えるほどになる。何といっても表紙のたまごに描かれた繊細な細工の美しいことといったらない。わたしにはぴかぴか光って見えた。見返しも本文もフルカラーで、米国50年代のレトロな色合いで描かれる花の絵柄が、うれしい春の訪れをお祝いしている。
 ある日、たまごを見つけたうさぎさん。中には何が入っているのか、想像を駆け巡らせる。男の子かな、うさぎかな、ぞうかな、ねずみかな。殻を割ろうと、どんぐりを投げたり、転がしたり、小さな石をぶつけたり――ここは、ちょっと乱暴?――。疲れて果てて眠りに落ちると、その間に殻が割れて……。
 他愛もないできごとなのだけれど、子どもは大好きである。無垢なうさぎともう1匹の姿を見ているだけで「春の幸せ」の出来上がり。「きんのたまご」とは、この心あたたまる関係と気持ちを象徴する表現なのだと思った。(asukab) 

きんのたまごのほん

きんのたまごのほん

  • 作者: マーガレットワイズ・ブラウン,レナードワイスガード,わたなべしげお
  • 出版社/メーカー: 童話館出版
  • 発売日: 2004/07/01
  • メディア: 大型本
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