アースマザーの1日

 息子のアフリカ・プロジェクトに合わせて『Earth Mother』を読んでいた。
 アースマザーは、自然を司る母。彼女が大地を歩き、海で泳ぎ、山に登れば、自然の姿が眩しく輝き出す。そこに登場するのが、人間と蚊と蛙。三者はそれぞれ自分たちが暮らしやすいように注文をつける。
 これといったストーリーラインがないので、アフリカ民話のようなお話を期待していると拍子抜けかも知れない。描かれているのは、1日の流れの中でさまざまな表情を見せる自然の姿。ページを追えば大地と緑、海と空の存在に心が動き、そこに生きる動植物の縮図が見えてくる。三者のリクエストにそっと耳を傾けるアースマザーは、まさに自然の女神といった風。生き物とは何なのか、気づかされたりする。
 自然は「恵み」ということで、「父」でなく「母」。アースマザーを擬人化したところが特徴だろうか。視覚で見せるには抽象的で難しい対象だったのではと思う。でも、美しいアースマザーにうっとりした。娘は、蛙が食用と知りショックを受ける。最近、「がまくんとかえるくん」続きでカエルをお気に入りにしていたから、さらに。(asukab)

Earth Mother

Earth Mother