いいな いいな イヌって いいな

 ネコ続きで『いいないいなイヌっていいな (児童図書館・絵本の部屋)』を読む。表紙には、くるんとした青い瞳のネコが1匹。このオレンジ色のトラ猫は、イヌがうらやましくて仕方ない。「イヌって いいな。たのしいこと いっぱい」――。公園で遊んだり、遠吠えしたり、泥棒を追いかけたり、テレビタレントにもなれる。「いいな いいな、あたし イヌに なりたい!」と気持ちを打ち明けると、飼い主の女の子が「ばかな こと、いわないの。イヌにたって やなこと あるのよ!」と知らなかったことを教えてくれた。
 他人をいいなあ〜とうらやむ気持ちは、強かれ弱かれ誰もが抱く感情かもしれない。ネコちゃんもイヌをうらやましがったのだけど、イヌにしてみたら「ネコって いいな」と感じていたりする。大変なことと素晴らしいこと両方あってこそ人生。大人はわかっているけれど、小さな子どもはどうなのか。ネコとイヌの事情を眺めれば、いつの間にか視点の転換ができるので、子どもはあっさりと納得していたけれど。
 実写コラージュ使用の鮮やかなイラストが飛び出してくるようで、元気いっぱい。見返しの犬、猫のオンパレードは、犬猫ファンを魅了しそうだ。(asukab)

いいないいなイヌっていいな (児童図書館・絵本の部屋)

いいないいなイヌっていいな (児童図書館・絵本の部屋)