ふしぎなともだち

 ママといっしょに新しい町に越してきたレオン。お父さんは軍隊にいるので、遠くに行ってしまった。レオンには、ボブという友だちがいる。ボブはレオンの部屋に暮らしていて、朝ごはんも、遊ぶときも、何をするにもいっしょだった。
 息子といっしょに読んだ絵本は『ふしぎなともだち (児童図書館・絵本の部屋)』(原書『Leon And Bob』)。ボブという友だちはいわゆる目に見えない友だちで、たとえばアーサーの妹DWのニジーン(ニジーンが出てくるわけではないけれど、DWのお話なら『D.W.じてんしゃにのる (アーサーとなかまたちシリーズ)』など)とか、チャーリーの妹ローラのソレン・ロレンセン(『ぜったいがっこうにはいかないからね―チャーリーとローラのおはなし』)とか、絵本の世界にはよく登場する。
 自分にもいたのだろうか、小さな頃の目に見えないお友だち。「ひとりでぺちゃくちゃおしゃべりして、それはそれは楽しそうだった」とは、母がよく話してくれる幼少時代のわたしの姿で、これを聞く限りひとりくらい存在したのかなとも思えてくる。
 レオンの越してきた町はきっとヨーロッパのどこか。わたしは引越しの経験がないのでわからないのだけれど、新しい環境になじむって大変なことなんだろう。
 息子が、結末の流れを当ててしまったことには驚いている。友だちとの出会いがさわやかに描かれる、さり気なくて心あたたまる絵本である。(asukab)

ふしぎなともだち (児童図書館・絵本の部屋)

ふしぎなともだち (児童図書館・絵本の部屋)