不思議なボラボラドレス

 ドレスなんて着たことのないリンジーが、フィオナおばさんのサマー・パーティに招待される。お母さんといっしょにドレスを探しに出かけたお店で、彼女は運命のドレス、ボラボラドレスに出会った。緑の茂みにプリントされているオウムが、まるで本物のように見えるサン・ドレス。リンジーは南の島ボラボラに思いをはせた。
 お気に入りのお洋服を身にまとい、夢見心地の体験をするリンジー。こういうお話、好きだなあ。『The Bora-Bora Dress』は、きっと個人的な経験が好き好きのレベルにかかわってくる絵本。興味のない人には別にどうってことないかもしれない。おしゃれをしたときのときめきというのかな。特別な気持ちが巧みに描かれている。娘に読みたいなと思っていたのだけれど、自分のほうがすっかり浸ってしまった。お洋服好きの人におすすめの絵本。
 終わり方が唐突なので、最後にドレスだけの1ページがあってもよかったのでは。この画家のイラストは、購読していたお話雑誌でよく見かけていたので親しみが湧いた。リンジーがちょっと大人っぽいけれど、高学年まで読めるかと思えばそれもいいかな。(asukab)

The Bora-Bora Dress

The Bora-Bora Dress