いろいろな色のドレス

 『The Bora-Bora Dress』を読んだとき、おすすめになっていたのが『Daffodil』。個性をテーマに3人の女の子を描く、かわいらしいお話だった。
 3つ子のひとりダッフォディル(水仙ちゃんと呼んでいいかな)には2人の妹がいる。ヴァイオレット(すみれちゃん)とローズ(こばらちゃん)とダッフォディルはそっくりで、お母さんまでときどき見分けられないほどだった。3人は誰が誰なのか、もちろんわかっていたけれど。お母さんはパーティ好きで、およばれするときはいつも3人に違う色のドレスを着せる。ヴァイオレットに紫色、ローズにピンク色、ダッフォディルに黄色のドレス。こうすれば、誰が誰なのかすぐにわかるから。でも、ダッフォディルは、黄色のドレスが大嫌い。2人の妹はうれしそうにドレスのすそをつまみ、くるりと輪を描いて踊ってみせるのに、ダッフォディルはずっと椅子に座ったままご機嫌ななめだった。
 お母さんがよかれと思ってしたことが実は娘たちには居心地が悪く大迷惑だったという、子育てによくあるエピソード。ドレスをテーマに個の成長を描く、特に女の子にはたまらない絵本だと思った。お洋服を前にうきうきする、おしゃれのときめきもいっしょに描かれるから、子どもだけでなくお母さんも楽しめちゃうかな。花の名前と色のイメージが華やかで、春から夏にかけてにぴったり。服飾関係に弱いので、個人的に5つ星を進呈。娘が帰ってきたら、必ずいっしょに読もう。
 仕事が忙しくなり、更新が遅れ気味。子どもとは読めないけれど、仕事の合間にひとりで絵本を開き満たされるのもいいかなと思ったりして。(asukab)
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Daffodil

Daffodil