コルデコット賞絵本を読む

 せっかく米国に在住しているのだから、1938年から始まったコルデコット賞の受賞絵本を「コルデコット賞の絵本手帖」と題して読んでいこうと計画を立てた。
 同賞は1938年、米国図書協会(American Library Association=ALA)が19世紀の英国人絵本画家ランドルフ・コルデコットを称えて設立した。米国で前年出版された優れた絵本作品に対して贈られる賞で、毎年1月に発表される。
 さっそく初年度の受賞作品3冊を手にして、セピア色がかったページをめくってみた。どのくらいの間隔で更新できるかわからないけれど、とりあえず図書館で借りられる作品はすべて読んで記録していきたい。
 1938年といえば、昭和13年。ヨーロッパではこの年ドイツ・オーストリアが併合、日本は昭和11年(1936年)に二.二六事件、翌年昭和12年(1937年)に日中戦争勃発だから、軍国主義が台頭していった頃か。米国といえば、ニューディール政策の下、大恐慌で受けた経済的打撃から立ち直ろうと国内政策に躍起になっていた頃。絵本を通して時代性を垣間見られるかもしれず、結構興味深い……。読破には息子にも付き合ってもらいたいなあと欲を出す。この頃の絵本って文字ばかりのページが多く、今で言うお話集みたいな体裁だから。
 初年度の受賞リストは次のとおり。アマゾンで入手可能なことに驚きを覚えた。(asukab)

  • 1938 Medal Winner:
    • Animals of the Bible, A Picture Book, illustrated by Dorothy P. Lathrop; text: selected by Helen Dean Fish (Lippincott)

Animals of the Bible

Animals of the Bible