木版画が伝える聖フランシス

 『The Song Of Francis And The Animals』は、動物と自然をこよなく愛した聖フランシスの人となりを語る絵本。ぬくもりいっぱいの木版画が聖人と動物たち――小鳥、羊、ぶた、やぎ、りす、犬、魚などなどたくさん――のふれあいを柔らかい土色を基調に描く。最後に狼が登場するちょっとした山場があるのだけれど、それも小さな子どもにぴったりの加減だった。
 もちろん思い出したのは、毎年10月にお祝いする聖フランシスの主日。この日曜日、会衆(とくに子どもたち)は自分のペットを連れて礼拝に参加する。大聖堂でうごめく動物たちといっしょに説教に耳を傾ける光景は結構シュールで笑え、「主の祈り」の後にぴったりのタイミングで「ワン!」なんていう鳴き声が入ったりすると爆笑の渦。犬、猫、魚、小鳥、かめ、とかげやハムスター類が多い中、大きなイグアナとかへびもいるので、飼い主の子どもたちにとってはちょっとしたご自慢ショーになったりする。
 うちのスクーターはまだ聖フランシスの祝福を受けていないなあ。いつか連れて行ってあげようと思っているのだけど、たくさんの友だちに出会ってお行儀よくしていられるかどうかが心配になってしまう。(asukab)

The Song Of Francis And The Animals

The Song Of Francis And The Animals