チャイルド版「えんどう豆の上のお姫さま」

 フューシャ・ピンクのペイズリー柄に、実写紙人形のお姫さま。作者がローレン・チャイルドでタイトルが『The Princess and the Pea*1ときたら、もう手に入れるしかない。……娘といっしょになって「お姫さま」や「妖精」に胸をときめかす自分を思うと、わたしもまだ女の子ということかな……。それはさておき、お姫さま(嫁)探しのお話でもあるし、憧れのチャイルド版はそれとなく将来のことを描きながら息子といっしょにページをめくった。 
 ドールハウスを連想させる実写背景がすごく楽しい。きりりとした面で現れる王さま、お后さま、王子さま、お姫さま。切り抜かれた紙人形たちを目にしたら、「これは自分で作らなくちゃ」と、いてもたってもいられなくなったりして。そして何より、チャイルドの語り口調。親の本音を上品にちらつかせながら、姫探しはクライマックスに至るのだった。
 月と星を象徴的に用いたお姫さまの人間像描写が秀逸。シンボリズムの生きる作品に、またまた酔いしれる。モダンだけど核心が揺るがないチャイルド版のおとぎ話にはスタイルがあり、かっこいい。礼儀(マナー)が強調されていたり。つまり、マナーとは人間性そのものであるメッセージが伝わってきた。
 息子が家に彼女を連れてくる年頃になったら、きっと笑いながら「えんどう豆の上のお姫さま」のことを話すのだろうな、なんて思った。
 アマゾン・ジャパンだと英国版と米国版で値段の差があり驚く。両者には単語や表現に変更の見られることがよくある。でも購入の際の値段がこんなに違うとは知らなかった。為替の関係でこうなるのだろうけれど。ちなみにわたしは米国アマゾンで米国版(11.04ドル)を購入した。(asukab)
amazon:Lauren Child

  • こちらは本家、英国版(アマゾン価格2402円)

The Princess and the Pea

The Princess and the Pea

  • わたしが購入したのは、こちら米国版(アマゾン価格1679円)

The Princess and the Pea

The Princess and the Pea