DOWN THE BACK OF THE CHAIR

 『Down the Back of the Chair』は、米国発売を心待ちにしていた絵本。さっそく手にして、言葉遊びが繰り広げる愉快なお話を楽しんだ。
 「うちのくるまは オンボロぐるま。でも、あたらしいのは かえないの。なのに きいてよ、とうさんたら くるまのかぎを なくしちゃった。たいへんなことに なっちゃった。くるまがなけりゃ、しごとがない! しごとがなけりゃ、おかねもない! だんだん、まずしくなってきた。とうさんのしらがは あたりまえ。けさは みんながかなしいの。……」
 ところが、どっこい。2歳になったばかりのマリーちゃんが、大きなひじかけ椅子のクッションの下から硬貨を3枚探し出したことから、お話は急転換。出てくる、出てくる、何でも出てくる、無くしたと思っていたものがいろいろ出てきて、ついに財政危機も乗り越えちゃうことに。
 頭韻、脚韻が飛び交って、イラストもサーカスのように大賑わい! お父さんの顔がクエンティン・ブレイクのイラストで、子どもはトニー・ロス、コラージュはほんの少しローレン・チャイルドみたいな感じだろうか。これは、なかなか豪華ではないか! 言葉にも、ナンセンスと語感の楽しさがはちきれんばかりに詰まっていた。
 主人に、この絵本を使って、押韻とアートの授業をするように提案したのだけれど、乗り気になってくれたかな。(asukab)

Down the Back of the Chair

Down the Back of the Chair