The Nothing King

 『Nuts*1に魅せられ、同じ画家の『The Nothing King』(邦訳『なにももたないくまの王さま (にいるぶっくす)』)を読んだ。
 お話は表紙見返しから始まっている。任務に追われる日々にうんざりしたくま王さまはある日、荷物をまとめてお城を後にする。着いたところは、古ぼけたアパート。召使いがいないので、自分で歯を磨き、お風呂に入り、パジャマを着て、ベッドに入った。なんて、すてき! 王さまは一人の生活が楽しくて仕方がない。まわりから「なんにももたない王さま」と呼ばれても、幸せいっぱいだ。そこにお妃さまがやってきて……。裏表紙見返しが、またすてき。最高のカップルは、こういうものと示している。そうなのよね、と納得の終章。
 日常にありがたさの感じられる生活が一番の幸福なのだと、絵本の中のくま王さまがあらためて教えてくれた。(asukab)
amazon:Paula Gerritsen

なにももたないくまの王さま (にいるぶっくす)

なにももたないくまの王さま (にいるぶっくす)

*1:Nuts -Noten- 2006年6月22日