Roasted Peanuts サムとジャクソンのおはなし

 リトル・リーグのシーズンまっさかり。タイミングよく息子と『Roasted Peanuts』を読んだ。
 馬のサムと猫のジャクソンは、大の野球好き。観戦するのも、プレーするのも、いつもいっしょだった。でもサムは飛びぬけた運動神経の持ち主で、ジャクソンはそうでもない。サムがボクソーズの入団テストに受かってからというもの、互いに進む道が分かれていった。
 どうしたって自然にプレーできる選手とそうでない選手。この対照が、世の縮図のように思え興味深かった。ボクソーズに入団できなかったけれど誰にもまねのできない特技を持つジャクソンは、自分の得意分野で身を立てることになる。肝心なことは、本人が幸せかどうかということなのだ。何をしていても幸せな日々が送れたら、それでこそ生きる意味を手中にしたことになる。……などとひとりで納得。
 息子のオールスターチームは、今のところ2勝1敗。もう負けられない苦しい状況だが、選手たちは声を張り上げて楽しそう。でも毎日ある打撃練習が、慌しさに拍車をかける。そういえば、子どもの所属するチームが州準決勝まで進んだ経験を持つ義妹が、「勝ち続けるとうれしいけれど、夏の予定がまったく組めない」とぼやいていたっけ。確かに。
 時間がないと言いながら、息子は午前中、ゴルフレンジでPGAプロからドライブ、アイアン、パットの手ほどきを受けた。野球とゴルフ――2つの楽しみを知った彼の毎日は、文字通りスポーツに支えられている。(asukab)
amazon:Tim Egan

Roasted Peanuts

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