Seven for a Secret おじいちゃんとルビーの往復書簡

 手紙という行為は、人にとり特別な営みである。紙とペンを用い心をしたためた時間と空間が、そっと文字の影から顔をのぞかせるのだから。
 田舎のおじいちゃんと都会で暮らす孫むすめルビーの往復書簡からなる絵本『Seven for a Secret』は、淋しさと希望を豊かな季節の移りかわりとともに描く。背景にあるのが童謡「THE MAGPIE SONG」。お父さんが小さかったころ、おじいちゃんが教えてくれた歌で、絵本の最後に歌の真意が現れる。カササギを一羽見たら悲しいことがあり、二羽見たらうれしいことがある。三羽だったら、女の子の赤ちゃんで、四羽なら男の子……といった具合に、童謡ではなかば迷信のような運が歌われている。七羽の秘密とは、おじいちゃんからルビーの家族への贈り物だ。
 貧しい都会の暮らしと質素な田舎の暮らしが同時に描かれ、死に向かうおじいちゃんの寂寥感も重なって、少し心が重くなった。子どもには理解しがたい空気かもしれない。でも、手紙のやりとりは、心の交流となる特別な行為であったことがよくわかる。だからこそ、つらくなり、その分明るさも開けてくる。(asukab)

THE MAGPIE SONG カササギのうた
1 for Sorrow,
2 for Joy,
3 for a Girl,
4 for a Boy,
5 for Silver,
6 for Gold,
7 for a Secret
never to be told. 

絵本ではここまでだけれど、続きがある。

8 for a Wish,
9 for a Kiss,
10 is a Bird
you just can't miss.

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  • 二箇所、仕掛け(めくり、観音開き)のページがある

Seven for a Secret

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