"I'm not cute!" ぼく、かわいくなんかないよ!

 こうといえば、ああと出て、ああといえば、こうと出る。コミカルなコンピュータ・グラフィックスのイラストに引かれて手にした絵本『"I'm Not Cute!": I'm Not Cute!』(邦訳『かわいくなんかないっ! (児童図書館・絵本の部屋)』)には、ふくろう赤ちゃんの負けん気ぶりが「キュート」に描かれている。反発してしまう理由は大人になりたい願望のあらわれなのだけれど、そのふるまいが至極かわいらしくて娘といっしょにめろめろになった――「か〜わい〜い」。素直に自分のあり方を受け入れられない姿が、親心を魅了するというのかな。「おお、よしよし〜」の気持ちである。これも、おやすみ前にぴったりの絵本。
 今回は砂漠なのでフクロウには出会えなかったけれど二日目、なんとも不思議な鳥に出会った。テントの傍らに立つ木の枝にずっと目を閉じてとまっていたその鳥は、朝から夕まで一日中枝から離れないのでテントの守護神のような存在になった。大きさは、大人の手のひらぐらい。体は枝の灰茶色とまったく同じにカモフラージュしていて、一見鳥とわからない。だからなのか顔つきが涼しげで、自慢げに人間たちを見下ろしている感じすらした。枝は大人が手を伸ばせば届きそうなところにあり、それも驚きだ。「まだ、あそこにいるよ」――夕方確認したその夜、鳥の姿は見えなかった。(asukab)
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  • ふくろう赤ちゃんの「目つき」にご注目

かわいくなんかないっ! (児童図書館・絵本の部屋)

かわいくなんかないっ! (児童図書館・絵本の部屋)