Edwina, the Dinosaur Who Didn't Know She Was Extinct 実学vs虚学

 現代に恐竜など存在しえない!――この理由づけのために科学的根拠を列挙し説明しようとする男の子と、現に目の前に存在してしまっている恐竜エドウィーナのお話が『Edwina, the Dinosaur Who Didn't Know She Was Extinct』。四角四面と空想観念の対決のようで、いろいろ思いを巡らせながら読みふけった。
 人はどう生きるか。そんな哲学的なテーマに結びつく絵本の主題だったと思うけれど、さて自分はどうか。現時点では……地に足をつけて生きていれば、日常は事細かに説明などしなくても自然に成り立ち、流れていくもの。そこに「実」と「夢」が混在し、日々に彩りが生まれることになる。この「彩りの見える生活」が実感できていれば、人生それでよし……じゃないか。
 作品的に作者の意図が感じられてしまい、『Knuffle Bunny』以上の絵本に出会えないなあという感想。次作に期待。(asukab)
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Edwina, the Dinosaur Who Didn't Know She Was Extinct

Edwina, the Dinosaur Who Didn't Know She Was Extinct