Bats at the Beach こうもりたちのなつやすみ

 『ISBN:061855744X:title』の図書館待ち番号は、確か四十七番。ええー! 四十六人もの読者を待っていたら、回ってくるのはたぶん来年の春あたり? そんなわけで、書店で人気絵本を読んだ。
 たそがれ時から夜にかけ、ときに不気味に闇を飛び交うコウモリの集団を見て、誰がこんなににぎやかな夏を想像しただろう。コウモリたちもこんなふうに家族を大切にしながら、青白い月光に照らされる夏のひとときを楽しんでいたなんて。砂山をこしらえ、サーフィンをして、焼きマシュマロだって作っちゃう。イラストひとつひとつの描写は、きっと子どもと笑いを交えながら創作に打ち込んだであろう作者の遊び心に満ちあふれていた。韻の心地よさも、人気の秘密なんだろうなあ。意表を突いた発想に敬意を表したい。
 ボストン・グローブ*1によると、本作品は全米規模で売り切れ続出。作者も驚きの現象というが、丁寧に描かれたコウモリの擬人化をじっくり眺めれば、その理由もわかるというもの。イラストと言葉のかもし出す親しみやすさとほんの少しの奇怪さが、子どもをとりこにしてしまう。(asukab)
amazon:Brian Lies

  • 月光の下、うす光りするマシュマロに、ちょっぴりぞぞぞ

Bats at the Beach (A Bat Book)

Bats at the Beach (A Bat Book)