COUNTING OVEJAS ひつじがいっぴき

 眠れない夜の思い出――祖母の家では、柱時計のチック、タック、チック、タック。自宅では置き時計のウェストミンスター・チャイム。夜は時間と親密だ。辛抱強く時間と向き合ううち、すまし顔の正確な秒針がいつの間にか朝を連れてくる。眠れない夜に羊を数えたらいいよ、と言ったのはいったい誰だろう。時間と四つ巴にならなくてすむので、子どもにしてみたら楽しい解決法である。
 『Counting Ovejas』は、英語とスペイン語で色と数を知る絵本。最初は一匹の白い羊。次に二匹の茶色い羊、三匹の黒い羊、四匹のピンクの羊……。眠れない夜、色とりどりの羊にあいさつをして、男の子は眠りにつく。これはなかなか! 就寝前、スペイン語で頭をフル回転させるので、読み終える頃にはほどよい疲労感に見舞われている。羊のふわふわ感も、おやすみにぴったり。しかしながら、輪郭のはっきりしたイラストなので、やわらかさの出るタイプのほうがもっと向いていたかもしれない。これがラテンらしさなのかもしれないけれど。(asukab)
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Counting Ovejas

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