Summer is Summer なつがいっぱい

 四季の中で一番好きなのは、実は夏だったりする。その季節それぞれに美しさがあるのだけれど、ひとつ選んで!と言われたら夏を選ぶだろう。誕生月が七月だから、潮風の気持ちいい季節だから、空と海に魅せられるから……と理由はいろいろある。でも、軽装で楽ちんな季節だからっていうのが、怠け者のわたしらしい言い分かもしれない。
 『Summer Is Summer』は、すみからすみまで夏一色。秋本番になる前に、早く記録しておかなくちゃと思った。絵本は詩を通して「夏」を教えてくれる。ガートルード・ステイン(1874-1946)の一節"A rose is a rose is a rose."を基にして、遊びのように「○○is ○○is○○.」のパターンが多用される。"Summer is summer is summer."みたいな感じに。
 夏の風物詩がたくさん登場して、気持ちがいい。バラ、蜂、木、木陰、レモネード、穴、もぐら、草、種、丸太、かえる、小川、かくれんぼ、人ごみ、雲、降ったり晴れたり、ベースボール、舟、バケツ、潮風、砂、夜、光、ほたる、星空、スイカ、アイスクリーム、夢想、夜の夢……。やさしい水彩画が、夏の透明感をさわやかに描く。子どもたちの表情がとても親しみやすく、なんとなく素人っぽい画風なのだけど、いい味わいが出ていると思った。(asukab)
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  • はだしが気持ちいい!

Summer Is Summer

Summer Is Summer