ハネスうさぎはゆうびんやさん

 あめふり――今朝は、雨。登校時、娘が花柄の古い傘をすごく喜んだ。大学を卒業したとき、教会の先生からいただいた淡いパールがかったピンクの傘。ほとんど使うことがなく、ずっと折りたたんだままだったけれど、米国に来て、娘に大感激された。
 ひまわり――砂糖かえでの甘い香りに包まれて、季節はずれのひまわりが咲いている。夏の領域を主張する、ちょっと赤みがかったはなびらは秋の彩にも見え、ここまできたら初秋の粋そのもの。場違いでも背筋を伸ばす姿が美しい。
 郵便屋さん――日本からの第二便。うれしい絵本の包み箱が届いた。届けてくれたのは、日本に滞在したことがあるという郵便屋さん。しかも京都だそう。わたしも大学時代に過ごしたことを伝えると、さらに会話に花が咲いた。
 三つのキーワードが重なって、『新装版 ハネスうさぎは ゆうびんやさん (世界の絵本(新))』を娘と読む。新装版は親日家の郵便屋さんが届けてくれたので、また特別だった。
 夏の暑い午後も、秋の雨の日も、冬の雪の中も、どんなことがあってもお手紙、小包を届けてくれる郵便屋さんのハネスうさぎ。動物たちは感謝の気持ちを込めて、プレゼントを贈ることにする。この贈り物が、うっとり、ため息もので、とにかくすてきなのだ。娘もわたしも、いいなあと羨望のまなざしで美しいイラストを眺めることになる。「作ろう!」と娘が言っていたけれど、「でもね、はるまで またないと、ざいりょうが ぜんぶ そろわないんだよ」――。(asukab)
amazon:Bernadette Watts

  • 表紙のひまわりは、うちのひまわりのよう(邦訳に書影がないので原書で)

Harvey Hare, Postman Extraordinaire

Harvey Hare, Postman Extraordinaire