A Very Brave Witch こわいものしらずの魔女っこ

 みんな魔女を恐れているけれど、実は魔女も人間を恐れているって、知ってた? じゃあ魔女界の実態って、どんなものなんだろう。――魔女もハロウィンが大好きで、特に仮装するのがお気に入り。人間を避ける理由は、まず自分たちのように肌が緑色でないこと。それから、ほうきは掃除に使うだけで、それで空を飛びたがらない。先のとんがった帽子をかぶっていない。甲高い魔女笑いをしない。そんなこんなが理由になっている。でもこの魔女っ子は自分の目で確かめてみようと、人間界に飛び立った。
 『A Very Brave Witch』は、怖いもの知らずの魔女の女の子を描いた絵本である。魔女の視点で描くハロウィンが新鮮で、すべて吹き出しの会話で描写する趣向が功を奏した。お話が生き生きしていている理由は、この会話の親しみやすさにある。人間の子どもとの交流をもっと見たかったけれど、ここから先はハロウィン当日に託すというのが意図するところかな。あたたかい終り方なので、子どもはハロウィンが待ち遠しくなるだろう。
 人気絵本ということでほくほく喜んで図書館から借りてきたら、「ママ、これ読んだじゃん」。「!」――そうだ、この表紙。確かにこの前書店で読んで、娘と感想を言い合ったのだった。タイトルだけで予約すると似たようなものが多くて印象に残らないのよね、と言いわけ。(asukab)
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  • 魔女や怪物は、緑色か紫色というイメージがほぼ定着している

A Very Brave Witch

A Very Brave Witch