Chowder ブルドッグのチャウダー

 ブルドッグチャウダーは、とても変わっている。まるで人間の子どものような生活をしているので、近所の犬仲間から変な犬と思われ、まわりになじめない。イラストを見ると、その原因はどうみても飼い主の溺愛のせいと思えてしまうのだけれど、どうだろう。『Chowder (A Chowder Book)』には、顔にしわを寄せたしかめっ面で、トイレに座り、ヘッドフォンで音楽を聴き、コンピュータを眺めるチャウダーと、ニコニコ顔でチャウダーをいたわるウォビントンズ夫妻が一見対照的に描かれている。で、現状を打破したいチャウダーは、食料品店隣に設置されたミニ動物園で、ほかの動物たちと仲良くなろうと思い立つ。
 チャウダーのムッとした表情と友だちが欲しいなあという心情にギャップがあり、なんとも愛しいキャラクターが出来上がった。一匹の犬と飼い主を単にユーモラスに描くだけでなく、チャウダーの心を伝えるストーリーがあり、その山場が見ものかな。チャウダーっていう名前も魅力的なんだよね。(asukab)
amazon:Peter Brown

Chowder (A Chowder Book)

Chowder (A Chowder Book)