Toys Go Out おもちゃトリオのゆかいなまいにち

 待ち焦がれていた『Toys Go Out: Being the Adventures of a Knowledgeable Stingray, a Toughy Little Buffalo, and Someone Called Plastic』とご対面。ページ数を確認していなかったから気づかずにいたのだけれど、絵本ではなく全六章からなる七歳から十一歳向けの楽しい読み物だった。女の子が大切にしているぬいぐるみ、おもちゃの日常を描くお話で、主役はバッファローのぬいぐるみランフィー、エイのぬいぐるみスティンジイ・レイ――彼らは、ビーニーベイビーみたいな小さなぬいぐるみなんだろう――、そして赤いボールのプラスチック。ここに黄色いタオルのタクタクやひつじらが脇役で登場する。
 一番の魅力は、おもちゃたちのキャラクターである。彼らの会話を聞けば誰だって、「かっわいい〜」と叫ばずにいられない。お茶目で、愉快で、純粋で、ときに笑い、ときにほろりとさせられ心を動かされた。それぞれがユニークで、生き生きとしている。おもちゃの視点から人間の生活も浮き彫りにされ、映画化、舞台化にもぴったりだな、なんて思ったり。ビジュアルな場面が、目に浮かんでくるようだった。
 第一章は、おもちゃトリオがバックパックの中で揺れているところから始まる。第二章プラスチックが自分は何者かを探すお話、第三章ピーナツバターで汚れたランフィーが乾燥機を体験するお話、第四章ビーチに出かけプラスチックが犬にかまれるお話、第五章ランフィーと女の子のベッドのお話、第六章女の子のお誕生会のお話……と続き、ほのぼの温かい気持ちでページを閉じるしあわせが、ふんわり、あちらこちらに舞う。
 娘のアート教室の間に書店で半分読み、もう絶対娘に贈らなくちゃ!と静かに興奮していた。う〜ん、でもお誕生日プレゼントでないことがすごく残念。なにしろ第六章は、女の子七歳のお誕生会で締めくくられるのだから。それでも、クリスマスプレゼント決定〜!である。夢中になる彼女の笑顔を想像するだけで、しあわせだった。(asukab)
amazon:Emily Jenkins
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  • 黒鉛筆画でも、温もりたっぷりのイラスト

Toys Go Out: Being the Adventures of a Knowledgeable Stingray, a Toughy Little Buffalo, and Someone Called Plastic

Toys Go Out: Being the Adventures of a Knowledgeable Stingray, a Toughy Little Buffalo, and Someone Called Plastic