Web2.0の恩恵

 Web2.0時代が、絵本手帖開設を後押ししてくれた。このツールがなければ毎日記録しようなどという気持ちは起こらなかっただろう。たとえ気持ちがあっても、続いていない。したためた思い出が整理され、いつでも簡単に取り出せるとは、怠け者で不精な自分にぴったりである。ブログの有能性を賛美せずにはいられない。
 開設当時はブログコミュニティの存在にまったく無知で、正直、どう対処していいのか戸惑った。開けっぴろげの空間に佇み一人でただ書きつづりたかっただけなので、たぶん、その意味では今でも2.0的機能を有効に活用していないことになるんだろう。それでも受け入れてくれるのが、2.0の奥行きの深さだろうか。で、そんなところもお気に入りだったりする。はてなのテンプレートをこちゃこちゃいじくり作ったページを目にすると、実際ほっとする。空気の濃すぎる密室が苦手なわたしには、すうっと開かれた、一人の存在の感じられる空間が向いている。
 実は「情報」という存在に対し常に敵対視をして生きている自分だが、RSSを介した「情報」の上に自分が成り立っていることを考えると、今は静かにこの関係を見守るしかないなと観念した。ただし、本音はこうである――情報の速さとか量で人の価値が決まるグレーゾーンでは生きたくない。創造の質で自分が満ちる真っ白な域に身を投じたい。(asukab)