Boo and Baa Have Company ブウとバアのおともだち

 シリーズものは、どうしてなのか素通りしてしまう傾向がある。シリーズすべてが秀作というわけではないので――かなりの決め付けかもしれないけれど――、あまり期待していないというのが本音だろうか。どうしたって「前作のほうがよかった」とか比較してしまうもの。でも、このスウェーデンのブウとバア絵本シリーズはかなりの善戦だった。『Boo And Baa Have Company』は落ち葉かきを背景に、木の上から降りてこない猫ちゃん救出作戦に出る羊のブウとバアのかわいい奮闘を描く。色づいたメイプルの葉を見ているだけで、わたしはほっこり。そこにきょとんとしたお目目のふわふわ羊コンビと黒猫ちゃんが登場して……、子どもは小さな事件に釘付けだ。二匹がどうやって猫を助け出そうとするか、娘もかなり真剣に考えていた様子である。キッチンや庭、窓のある風景を描くそれぞれのページが子どもの日常そのもので、しんと落ち着いて静かに解決法を見守った。
 何気ないことがちょっとした事件になり、親しみが湧くゆえに子どもの心を満たしていく。大人には微動なのかもしれないけれど、子どもには豊かに響く典型的な絵本。(asukab)
amazon:Lena and Olof Landstrom

  • 二匹のまわりに秋がいっぱい。邦訳では「ムーやん、メーやん」で、これもかわいい!

Boo And Baa Have Company

Boo And Baa Have Company