Gorilla! Gorilla! ゴリラ!ゴリラ!

 小さなものと大きなもの。『Gorilla! Gorilla!』には、その対照的な姿がユーモアを交えて豪快に描かれる。英国版『Killer Gorilla』の表紙と比べ、作品の本質――優しいハートの持ち主ゴリラさん――は米国版の方によく表れているんじゃないかなと印象を抱いた。
 広いジャングルで赤ちゃんねずみとはぐれてしまい、途方にくれる母さんねずみ。心沈むところに、でっかくて、けむくじゃらで、こわいゴリラがやってきた。「ゴリラ! ゴリラ!」――。食べられたら大変と、母さんねずみは逃げ出した。中国、アメリカ、オーストラリア、果ては北極まで逃げてもゴリラは追いかけてくる。
 スリルとサスペンス仕立てのシーンに、小さな読者はきっと魅せられっ放し。世界中を舞台にするところが、陳腐な三文映画みたいでおもしろかった。もちろん最後は、あっと驚く――というより予想がつくかも?――結末に。
 ずっと読みたかった絵本。米国版の表紙のほうが断然好きなので、英国版を注文せずよかった。暗がりで見たら、かなり怖そうなイメージ。(asukab)
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  • 米国版は、「やさしいゴリラさん」のイメージ

Gorilla! Gorilla!

Gorilla! Gorilla!

Killer Gorilla

Killer Gorilla