小学校の教室で 読書とフォニックス
先月中旬からチューターとして小学校で勤務し始めた。今年で二年目なので、昨年より勝手がわかる感覚に少しホッとする。二週間が過ぎたところで印象的だった時間といえば、一年生のサイレント・リーディングだろうか。息子、娘も体験した時間だけれど、あらためて小さな子どもたちが思い思いの本を選び、うれしそうにページをめくる光景を目の前にして、天国にいるような気分に浸った。ゆっくりと流れる、静かな笑みに満ちた時間。つづりと発音の関係(フォニックス*1)を理解している子どもは初級教本を読んだり、恐竜の好きな子どもは図鑑を眺めたり。強制のない読書のひとときは、安らぎに包まれていた。
わたしの仕事は、曜日と時間により異なる。この日はこの時間に、フォニックスを知らない子どもたち四人といっしょにアルファベットの「音」を確認していく活動だった。カードを使ったり、ゲームをしたり、無理のないように進め、日々の繰り返しの中で「音」を知ってもらうよう心がける。こうして発音と文字(形)が一致して生活言語の中で消化されると「読む」という発動が生まれるのだが、スペイン語を母語とする内二人にとって、この作業はかなり難しそうだ。先生がおっしゃるように辛抱強く続けるしかないのだが、成果が見られないのも何だかつらい。でも、まだ二週間ぽっち。
うっとりと海洋図鑑を眺めていた男の子が、文章を読もうと難解な単語を彼なりに発音していた――まわりの迷惑にならないよう、ささやきながら。そうよね、興味があれば何が書いてあるか知りたくなっちゃうものね。今いっしょに活動を続けている四人にも、この喜びを早く味わって欲しいなと願う。
毎日小学校で時間を過ごす中、思うところがたくさんあるので、絵本の感想と同様、少しずつでも記録していこうと思った。(asukab)