Baby Shoes あかちゃん おさんぽ!

 赤ちゃんの小さな靴には、まだ見ぬ夢がたくさん詰まっている。この真っ白な靴をはいて、赤ちゃんはどこまで歩いていくのだろう――。親であればきっと誰もが感慨にふけるこの気持ちを、絵本『Baby Shoes』を読んでしみじみと思い出した。歩き始めた頃の赤ちゃんは、今までと違う視界の中に自分で飛び込んでいけるから、とにかくうれしくて仕方がない。とったん、とったんと一歩を踏み出し、見ている方は危なっかしいとハラハラするのだけれど、当の本人はまあるいお顔に笑みがいっぱい。思い出の光景にしばし浸り、絵本を開いた。
 お母さんが赤ちゃんに新しい靴を買ってあげた。ぴっかぴかにまぶしい真っ白な靴。うれしくて仕方のない赤ちゃんは、お母さんとお散歩に出かける。途中赤いチョークでお花を描き、草の上ではしゃぎまわり、プラムの木の下で実をふみつぶし、オレンジ色の塗装ぬりたての上を歩いてしまい……。赤ちゃんの活動量がそのまま白い靴に表れて、お母さんは困ってしまうやら、でも同時にわが子がかわいくて仕方ないやら。こうして真っ白だった靴は、いつの間にか……。
 赤ちゃんらしさが、「靴」と「繰り返しのフレーズ」の中にたっぷりと描かれるかわいい絵本。イラストにも軽やかさと無邪気さがあふれていて楽しかった。そういえば、息子も娘も最初の靴は白。米国ではこの色が「第一歩」を象徴するらしく、まわりもみんな白ばかりだったような記憶がある。(asukab)
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Baby Shoes

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