JAZZ あらゆる角度からジャズを語る詩の絵本

　『Jazz (Coretta Scott King Illustrator Honor Books)』には誕生の背景、歴史、スタイルなど、あらゆる角度からジャズを描く詩が紹介される。前書きの解説が興味深い。即興とリズムがジャズの命だが、それに至った過程を、アフリカ系とヨーロッパ系音楽の融合と発展を通して明快に裏付けている。奴隷制度や世界大戦など悲惨な紆余曲折を経ていることも、ジャズが面白みと深さの存える音楽になった大きな理由だ。まさに「ジャズ語らずして米国語れず」なのだと軌跡を振り返った。
　ジャズを愛する父子コンビによる絵本というのも意義深い。ニューオリンズの子どもたちに捧げられた一冊は、ジャズ好きの愛蔵版と言える。
　それにしてもジャズ関連の秀作絵本が多いなあ。米国といえば、ジャズやMLB、女性史だから、絵本でも量の多いことは当然といえば当然だけれども。加えて質も高いので、音楽好きにはうれしいところである。(asukab)
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• トランペットの叫びが伝わってくるような表紙

Jazz (Coretta Scott King Illustrator Honor Books)