アマゾン・インスタントストア 英語圏の人気絵本棚
ひとつのテーマでくくった絵本群の「表紙」を並べてみたいな――。以前からずっと感じていたことが、アマゾン・インスタントストア(絵本手帖ストア)で簡単に実現できそうだ。とりあえず初回は英語圏の絵本賞受賞作品に注目して、時代の中でどんな絵本の評価が高かったのか、書影を並べて考察したいと考えた。
サンクスギビング休暇を利用して、作ったリストは米コルデコット賞の絵本群。七十年近い歴史の中で、消え去った絵本、今も読み継がれている絵本、時代性をまったく感じさせない絵本……。さまざまな絵本の表情に触れることができて、時間はかかったけれど作業自体、結構夢中になった。金や銀のコルデコット賞シールの貼られた絵本は、たいていどこの教室にも置かれているのでおなじみだ。でも一方で、「へえ、この作家が!」とか「これは見たことない表紙!」みたいなものもあり、新鮮な発見だった。
イメージのない作品は、必然として時代のかなたに葬り去られた絵本。米国史を省みているような気がして、絵本と言えど時代の反映なのだと実感する。
米国絵本に比べ、英国絵本は純粋に子どもの世界を映し出す作品が多い。今後グローバル化に伴い変化の兆しを見せるだろうけれど、子どもの本が社会経済性の影響を受けることっていいのか、悪いのか。イデオロギーの感じられない世界に強烈に魅せられる反面、虚構でしかないという疑問も生じ複雑だった。何はともあれ、真に力のある絵本は時代を越える。ぐじゃぐじゃした混沌などと無関係に、すっ飛んで行くんだよね。今から百年経っても読まれている絵本は、いったいどの絵本だろう。
この新機能には個人的に、「ストア」という発想よりも表紙書影を見比べる「ギャラリー」という意味合いを持たせたい。今後「季節の絵本棚」と「動物の絵本棚」を追加したいな、ぼちぼちと。(asukab)