ボビーとそらいろのヨット

 アナグマさんのお店で、すてきな空色のヨットを見つけたカワウソのボビー。ヨットへの憧憬が、ショーウィンドウから中を覗き込む表情に満ちている。わたしが子どもの頃、憧れたものは? そうそう思い出した。三十六色のマーカーペンとか四十八色のクレヨンとか、いつも画材の放つ華やかな色彩に魅せられていた。それは今でもそうかも。うーん、でも絵本も捨てがたい。やっぱり、絵本かな。閑話休題
 木製ヨットの傍らに置かれた小さなカードには、こう書かれていた。「ビーバーさんのさくひん――いいものと こうかんします」――「あんな すてきな ヨットと、こうかんできる いいものって、なんだろう?」。ボビーは考えた末、美しい「いいもの」を思いつく。秋色の落ち葉、おいしい楡の枝、小川でみつけた光る小石……。でも、アナグマさんから、それらの価値とヨットはどれも釣り合わないと教えてもらい、がっかりするのだった。
 何が特別に「いいもの」なのか、最後にすてきなメッセージがある。こういう「物」と「心」、大切にしたいな。
 この娘のお気に入り小作品は、『ボビーとそらいろのヨット―カエデのもりのものがたり』。木々の葉が色づく秋から冬にかけて読むのがぴったりの絵本で、クリスマスにもお似合いだと思う。
 本日、初雪。子どもたちは外で駆け回り、わたしは家でスクーターとギャビー番だった。(asukab)
amazon:Margaret Burdick

  • 書影がなくて残念。アナグマさんのお店や森の様子を追うのが楽しい、親しみあふれるイラストです。タイプとしては、(ゆうびんやの…*1、パンやの…、ぼくじょうの…、うえきやの…、せきたんやの…)くまさんシリーズ風。(書影がありました! シリーズのほかの絵本も読みたいな。)

ボビーとそらいろのヨット―カエデのもりのものがたり

ボビーとそらいろのヨット―カエデのもりのものがたり