Merry Christmas, Curious George メリークリスマス おさるのジョージ

 くまのコーデュロイ(コールテンくん)やマドレーヌちゃんと同様に、おさるのジョージも今はなき作者独自のスタイルを継承しながら新作発表となった。それも今回のテーマは、「クリスマス」。あれ? 人気者なのになかったのね、クリスマス絵本!
 『Merry Christmas, Curious George』では、冒頭のくだりから始まって、いたるところに現れる性格描写まで、自然な形でジョージの魅力が振りまかれている。他の登場人物はそれとなく画家のスタイルが出ているけれど、ジョージのイラストに関して言えば本物とまるっきり同じ!(に見える。)これは、すごいことじゃないかな。
 お話は、ジョージが黄色い帽子のおじさんとツリーファームに出かけるところから始まる。いつもの好奇心で、あらあら、切り倒されたツリーにぶらさがり子ども病院へ。ここの構想は『Curious George Goes to the Hospital』(邦訳『ひとまねこざるびょういんへいく (岩波の子どもの本)』)に似ているということだけど、そこで、もちろん、一騒動が起こる。ジョージらしいお茶目な性格とクリスマスの華やぎがほどよく調和し――大判絵本であることも加わって――、季節にふさわしいあたたかい作品になった。
 注目すべきは、クリスマス特製のジャケットカバーかな。ツルツル厚手のカバーが二つ折りになっていて、中表に返すと贈り主の名前やメッセージが書けるギフト用ジャケットに早変わり! これは、なかなかのシンプル・アイデア機能〜と感心する。贈り物用として今後、もっと目にするようになるかもしれない。お誕生日絵本に裏が専用のジャケットカバーなんて、すてきだと思う。(asukab)
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Merry Christmas, Curious George

Merry Christmas, Curious George