Pashmina the Little Christmas Goat クリスマスのやぎパシュミーナ

 クリスマス絵本は最後にあたたかなクリスマスらしい光景で終わることが多いのだけれど、『Pashmina the Little Christmas Goat』はちょっと違った。冒頭に貧しい一家のクリスマス風景が描かれ、最後はさわやかな初夏で終わるお話なのだ。
 サイモンの家は貧しく、特別なごちそうがないままクリスマスイブを迎えていた。獲物をつかまえに出た彼が見つけたものは、白い子ヤギ。母親とはぐれたようで、さっそく家に連れて帰る。子どもたちの懇願により子ヤギはごちそうにならずにすみ、家族と子ヤギの生活が始まった。
 舞台はどこなんだろう。出版社はスイスということで、どこかヨーロッパの山岳地帯のように見える。一匹の子ヤギを囲んでの一家の暮らしぶりがあたたかくて、ふんわりした気分になった。というのも、子ヤギの毛が特別に柔らかな毛糸になるお話だから。これといって劇的なできごとが起こるわけではないけれど、子ヤギのパシュミーナがどれほど豊かな生活資源になったか、味わいあるイラストと文章でつづられる。編み物好きな人への贈り物に。
 本日、雪で休校のため、子どもたちは朝から晩まで雪まみれになって遊んでいた。路面凍結で、明日も休校。収穫感謝から続いて、うれしい休暇になっている。(asukab)
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  • 原書はドイツ語。ふんわり、ふわふわの読後感です

Pashmina the Little Christmas Goat

Pashmina the Little Christmas Goat