Carry Me! だっこして!

 たとえ擬人化されていても、子どもたちの赤ちゃん時代を鮮やかに想起できるのがウェルズの絵本。こんなことしてたなあ……、こういう日もあった……。ページをめくるたび、そんな想いに包まれていく。『Carry Me!』中の、だっこされ、ぽちょんと目を閉じるうさぎ坊やは、そのまま息子と娘の表情をしている。
 赤ちゃん絵本にしては珍しい大判。しかも三つの章「CARRY ME!」「TALK TO ME!」「SING TO ME!」からなるので、その日によって読む章を変えてもいい。娘とわたしのお気に入りは、最後の「おうたをうたって!」。冬のうた、春のうた、夏のうた、秋のうた、それぞれのイメージが四季の流れとともに押韻で紹介され、きれいだった。サンタさんのイメージも出てくるから、これは今の時節にお似合い。
 親とは子どもが成長しても、ここに描かれるような赤ちゃん時代の面影をいつも抱き続けるものなのだ。年を経てそのつどそのつど初めて味わう自分の親心に驚きながらもしみじみとする。(asukab)
amazon:Rosemary Wells

  • イラストの中に金色、銀色の部分があったりして、ちょっと豪華。というわけで、贈り物にも向く

Carry Me!

Carry Me!