ナイトメアー・ビフォア・クリスマス THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS
「どうしてクリスマスタウンの人たちだけが 喜びと笑いをとどける役で、どうして ぼくたちは 墓場をうろつき、恐怖をあたえる役なんだ?」――『ティム・バートンナイトメアー・ビフォア・クリスマス』*1の主人公ハロウィンランドの王様ジャックは喜びがいっぱいのクリスマスタウンをうらやみ、自分がサンタクロースになろうと企んだ。不気味なハロウィンランドなんて、もうまっぴら! サンタになりすましたジャックのイブは、どんな夜になったのか。
ハロウィン間じかの頃、息子がさかんに歌っていた。「This is Halloween, This is Halloween, Halloween, Halloween...」。同映画の挿入歌である。この陰鬱な響きの主がクリスマスを演出しようとするのだもの、当然違和感がある。つまり、これぞティム・バートンの世界。別世界への憧れから生じる悲哀や絶望感がハロウィンとクリスマスのテーマをかき混ぜ、一度知ってしまったら忘れられない感情が心の片隅に残る。楽しいクリスマスと怖いハロウィンのイメージ対比が愉快だ。
とはいえ現実に当てはめると、クリスマス期の虚無感に共感できる人は多いと思う。人生、楽しいことばかりじゃないよ。小さなお子さまよりは、中学生(以上)ぐらいの子どもたちにおすすめかな。(asukab)
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- おばけたちのクリスマス計画はいかに!?
- 作者: ティム・バートン,永田ミミ子
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- 発売日: 1999/10
- メディア: 単行本
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