ZAGAZOO ザガズー じんせいって びっくりつづき
小さなお重に並んだお節をつつき、一年の早かったことを振り返る。しみじみと時の流れを実感する日に選んだ絵本は、ブレイクの『ザガズー―じんせいってびっくりつづき』(原書『Zagazoo』)。子育てする親の必読絵本と言われる作品だ。
しあわせなカップル、ジョージとベラのところにある日、妙な小包が届いた。開けてみると中にはピンク色のかわいらしい生き物が入っている。名前は、ザガズー。「なんて すてきなんでしょう!」。ジョージとベラは、ザガズーといっしょに幸せな日々を送った。ところがある朝、起きてみるとザガズーは恐ろしいキイキイ声で鳴く、はげたかになっていた。そして、別の日には、つかめるものは何でも口にいれてしまう小さなゾウ、ある時は泥んこ大好きのイボイノシシになっていて……。
かわいい赤ちゃんのザガズーが、はげたかになり、小象になり、イボイノシシ……に変わるところは、親の思い通りではないかもしれないが、実はすくすくと成長している子どもの自我を示す。子どもにしてみたら、このときの気持ちってどんなものなのかな。大人はたぶん、当の昔に忘れてしまった心情だ。社会性を学ぶためいろいろな規則にぶつかり、そのたびにいろいろな自分を示す子どもを見守るのが親――わかっているつもりでも、ときどき忘れてしまうわたしがいたりする。自戒を込めて本書を読み、どんな人間に成長するのか、あらためて息子と娘を想った。
イボイノシシが登場するので、今年の一冊目として大正解だったかな! 結婚する人、子育てする人、介護する人etc.……人生とは何か、振り返りたい人に。
2007年も、どうぞよろしくお願いいたします。(asukab)
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- 作者: クェンティンブレイク,Quentin Blake,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 好学社
- 発売日: 2002/11/01
- メディア: 大型本
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