秘密の秘密

wedgewood
ivory
canterbury rose
 娘といっしょに読みたい絵本がある。この国では昔から読み継がれている絵本で、シリーズは全部で九冊。この絵本は、息子ともいっしょに読んだ。お人形が主人公のお話だけど、彼も存分に楽しんだお話だった。猫やうさぎ、ふくろうといった登場キャラクターが魅力的で、おもちゃと動物の世界に子どもはいっきに入り込んでしまう。
 生成りレースのドレスにウェッジウッドブルーのリボンを巻き、かぶったお帽子にはカンタベリーローズの真っ赤なバラの花。お人形のしぐさがかわいらしくて、いつもほんのり魅せられる。この小さな絵本を手にするたびに、描かれているのは自分ではないにもかかわらず、自分が主人公になっている。それはきっと、娘も同じこと。