Little Bear's Valentine こぐまのくまくんのバレンタイン

 キング牧師記念日が過ぎ、学校行事はバレンタインへ向かう。雑誌をめくり、今年のバレンタインカードはどんなものにしようかと思案し始めた。うちらしさを出そうと思ったら、いつものように折り紙ハートかな……。
 娘と読んだ絵本は、こぐまのくまくんのバレンタイン絵本『Little Bear's Valentine (Maurice Sendak's Little Bear)』。読本シリーズはセンダックのイラストとミナリックの簡潔な文章で確固たる地位を得ているのだが、画家ヘザー・グリーンの美しい水彩によるこの絵本も侮れない。と言うより、これはこれでひとつの立派なくまくんワールドに仕上がっていて、宝物的な愛しさに包まれる。完璧ささえ感じるほどなのだ。オクセンバリーとセンダックの水彩画を合わせたような画風は、丁寧で温もりがある。落ち着いた色合いがいいのだろう。
 今日は、バレンタインの日。こぐまのくまくんは、キッチンでカードを作っている。贈る相手は、エミリーとめんどりとふくろう、そしてあひる。一番きれいなカードは、もちろんお母さんにあげるんだ。みんなにカードを配りに出かけようとすると、くまくんに秘密のバレンタインカードが届いた。誰が贈ってくれたんだろう。「きっと、くまくんのファンよ」――お母さんにそう言われてくまくんの胸は高鳴った。
 差出人が誰なのか、娘は即座に当ててしまったのだけど――長年、くまくんたちにはお世話になってものね――、彼女は小さな子どもの気持ちを取り戻してお話を楽しんだ。ああ、いいなあ、こういうくまくんの純真さ。くまくん好きへのプレゼントにどうぞ。
 本日、雪のためにまたもや休校。今年の冬は例年になく雪が多い。今週末(一月十九日〜二十四日)から当地で開かれる全米図書協会の冬季会議、大丈夫かなあ。せっかく全米各地から足を運んでいただくのだから、例年のようにマイルドな気候でライブラリアンのみなさまを歓迎したいと思うのだけれども、こればかりは神さまに祈るばかり。(asukab)
amazon:Else Holmelund Minarik
amazon:Heather Green

  • くまの画風が、センダックの描いた『Bears』のくまたちにちょっと似ているかも

Little Bear's Valentine (Maurice Sendak's Little Bear)

Little Bear's Valentine (Maurice Sendak's Little Bear)