Ballet of the Elephants ゾウのバレエ

 ゾウのバレエを描くノンフィクション絵本『Ballet Of The Elephants』を息子と楽しむ。1942年、ニューヨーク――五十頭のゾウがストラヴィンスキー作曲「サーカス・ポルカ」に乗り、バランシン振り付けのバレエを演じた。偉大な芸術家たちがゾウのバレエプロジェクトに乗り出したなんて、一瞬作り話じゃないかと思えたのだが、これがれっきとした事実なのである。巻末にあるゾウたちの輪が壮観な光景となって証明してくれた。写真は白黒だけど、みんなピンクのチュチュを身に着けているんだよー。息子もわたしも、目が釘付け。
 絵本に手にしたきっかけは、わたしがストラヴィンスキーショスタコーヴィッチを間違えてしまったことにあった。息子がショスタコーヴィッチファンなので、「!」と喜び勇んでページを開いたら、同じロシア人作曲家でもストラヴィンスキーのほうだった。でも、絵本の内容は知っていて楽しい話題だ。
 作者は、ライブラリアンという。主要人物三人の人となりを語りながらゾウバレエ誕生のいきさつをわかりやすく伝える文章は、職業のなせる業といったところか。それとなくロートレックの色、スタイルを取り入れたかのような水彩画が、時代性を出すのに一役買っていると思う。(asukab)
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  • ゾウのグレーにチュチュのピンクが映える

Ballet Of The Elephants

Ballet Of The Elephants