あすは きっと

 小さな子どもたちの姿が描かれた絵本『あすはきっと』(原書『The Tomorrow Book』)を娘と読み、ぽちゃぽちゃ、ぷくぷくした「あの時代」を思い出していました。きっと娘も同じでしょう。小さくなった服からぷっくりおなかのはみ出ちゃっている男の子、もじもじしてお人形を抱きしめている女の子――。そんな子どもたちがふっくら笑顔で歌ってくれる歌は、おひさまのぬくもりがいっぱいの歌です。娘が喜んだので、調子に乗って何度も歌ってしまいました。

ふうらり らっほー, ひいらり らっほー,
るうるっぱ るうるっぽ
おうひっさまあ!

 絵本は、小さな子どもたちが一日を終え、寝床にもぐりこむところから始まります。

目をさまして「おはよう!」っていうと、
もう そのときが あす。

あすは、こんなこえで はじまるよ。
「うあい、あかるい おひさまあ!
あさごはんがたべたいや!」

 「あす」には、どんなことが待っているのでしょう。夜の間、ぐっすり眠った後には、すてきなことが待っているのです。こんな遊びをして、誰かと友だちになって……。

そして あすは、なにから なにまで、
ずっと きょうより よくなるよ。

 幼少期を振り返ると、「あす」の色は虹色でした。今はどうでしょう。自分の名前に「あす」が付くにもかかわらず、しばらくこの色を忘れていたような気がします。でも、絵本の中の小さな子どもたちと、その子どもたちの笑顔を見てうれしそうにしている娘を見て、「あす」の色がすうっとよみがえってきました。
 夜、お休み前に子どもと読むビタミン剤のような絵本です。熟睡の後で、「あすは きっと」……すてきなことがありそうです。(asukab)
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  • 原書は古書でしか手に入らないので、日本語版は貴重。テディベアを追ってみて!

あすはきっと

あすはきっと