The Easter Egg Artists エイドリアン・アダムスのイースター絵本

 今からすでに「イースターイースター!」と浮かれている娘と『The Easter Egg Artists (Aladdin Books)』を読みました。今年のイースター・サンデーは四月八日なので、あと一か月イースター絵本を楽しむことになります。 
 ウサギのアボット一家*1は、アーティスト一家。イースターエッグの絵柄をデザインする時期は、毎年大忙しです。お父さんとお母さんは、息子のオーソンが一人前の絵描きになり仕事を手伝ってくれることを願っていました。百ダースの卵を注文してあるのですから、これは確かに助かります。
 イースター絵本ということで想像するのは、うららかな春の日差しが包むエッグハントの場面だったりするのですが、ここには珍しく春の場面があまり出てきません。登場したとしても、それはまだ肌寒い初春のころで、花が咲き乱れる光景ではないのです。それよりも絵本は、イースターに至るまでのアボット一家の様子を描きます。同時に、絵描きとして成長していくオーソンの姿にも焦点が当てられるのでした。
 お話の始まりは秋。アボット一家は、気候の暖かい南へキャンピングトリップに出かけていきます。移動の途中、車や飛行機、家、橋に絵を描くことを通して、オーソンは絵やデザインに夢中になっていきます。家に戻るのは一月。ここから卵の絵柄描きが始まるのでした。
 表紙の美しいイラストに比べるとイースター絵本としてのイメージは「ほんのり」という感じですが、オーソンの成長物語として考えると、イースターを機に「生まれ変わる」意味が込められているのかなとも思えます。娘はさっそく「卵を作ろう!」と気がはやってしまい……。イースター直前に読むのが正解でしょう。(asukab)
amazon:Adrienne Adams

  • ペーパーバックは古書で手に入れました

The Easter Egg Artists (Aladdin Books)

The Easter Egg Artists (Aladdin Books)