A SECOND IS A HICCUP 時間の存在を知る詩の絵本

 『A Second Is a Hiccup: A Child's Book of Time』を読んで、意外な宝物を見つけた気分に浸った。表紙とタイトルの「一秒はしゃっくり一回分」から受けた印象は時間の概念を語るノンフィクション絵本だったのだけど、読み進めるうちに、実は「時間」の存在をわかりやすく詩に乗せて子どもたちに伝える――少しばかり人文系の要素も持ち合わせた――絵本であることを発見した。時間を語る絵本を通して時間を意識すると、たちまち陽気な気分になってくる。
 絵本に出てくる時間はすべて子どもの日常に密着しているので、親はうんうんとうなずきながら彼らの日常を描きながらページをめくることになる。一秒から始まって、一分、一時間、一日、一週間、一か月……、そしておしまいは一年。子どもたちは、こんな風にして時間を過ごしているのよね。わたしもそうだったのだけど。そして、最後は……。
 豊かな時間の旅が、みんなに祝福されて終わるのがいい。韻を踏んだ詩と淡い水彩のイラストが、大切な時間の存在を伝えている。(asukab)
amazon:Hazel Hutchins
amazon:Kady MacDonald Denton

  • 2004年にカナダで出版された絵本。米国では2007年が初版

A Second Is a Hiccup: A Child's Book of Time

A Second Is a Hiccup: A Child's Book of Time