3びきのかわいいオオカミ
息子のお気に入り絵本『3びきのかわいいオオカミ』(原書『Three Little Wolves and the Big Bad Pig』)を、宿題を終えた彼といっしょに読みました。
3匹のコブタがかわいいオオカミ3兄弟に、悪役オオカミは憎憎しげな大ブタに――というユーモラスな役割のとりかえっこに、息子はまずクスクス笑い。民話をベースに敷く「間テクスト性」はお話が二重に楽しめるので、いやおうなしに鑑賞度が高まります。続いて登場するレンガの家、コンクリートの家、鉄条網と鉄骨、鉄板、南京錠で死守する家には国家や権威に対する風刺が込められ、作者の意図を汲み取らずにはいられない共感の展開となるのでした。
イラストも、とびきりいかしています。おおよそ絵本のイメージとは似つかない光景が現れたりして、それが中学生になっても心ときめいてしまう理由なのでしょう。現代風なイラストとは対照的な童話的会話が、ユーモアのノリをぐんと加速させているようにも思えます。
「……なかに いれろ!」
「いやだよ いやだ いれないよ。」「ぼくたちの ぴんぴんの ひげが いやだって いってるもん。きゅうすの なかの おちゃのはが きゅうきゅう さわいだって、ぜったいに いれてやるもんか!」
「そんなら おれさまが ふうーっと ふいて、ぷうーっと ふいて、おまえたちの うちを ぶちこわしてやるぞ!」
息子が注目するのは「きゅうす」です。ティーポット(急須)が見返しの模様になっている理由は、絵本の中にしっかり語られています。
就寝前に大笑いして、彼は満足そうにベッドに向かいました。(asukab)
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- 最後に出てくるお家に、わたしも住んでみたい
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