あかんぼうがいっぱい!

 娘はよく、自分が赤ちゃんだったときの話を聞きたがります。「生まれてきたときに、何してたの?」――こぶしをおしゃぶりしながら出てきて、すぐにおっぱいを飲んだのよ。「おなかの中では、何を見てたの?」――何だろう? 声や音はたくさん聞こえていたと思うけど。いろいろ話しているうちに、わたしが窓辺でおっぱいをあげていたことを覚えている、などと告白してくれ、わたしのほうがへえ〜と驚いてしまうことも。彼女の赤ちゃんノスタルジーは思い出したように巡ってきます。今日も。
 そこで今夜は、『あかんぼうがいっぱい! (大型絵本―かがくとなかよし)』(原書『The World is Full of Babies (Wonderwise)』)を読みました。絵本は、人間や動物の赤ちゃんたちがどんな風に育っていくのかを、簡潔かつ、わかりやすい文章で紹介します。

たまごっていうと、巣のなかにある、とりのたまごのことだと、おもうかもしれないね。
でも、たまごにも、いろいろあるんだ。
きみも、もとはたまごだったんだよ。このえのように、おかあさんのおなかのなかで、そだったんだ。

 冒頭はこんな風に始まり、生命の成長過程が語られていくのです。
 赤ちゃんって、何も覚えていないのかと思ったら大間違い。息子の例を記しておきましょう。彼が三歳ぐらいのときでした。ある日、椅子に腰掛けているわたしの膝に頭を垂れかけ、きゃらきゃら笑いながら言うことには……。「こうちゃん、ここから出てきたんだよね。ママのオールドスクール*1から出てくるときは、真っ暗だったよ」とわたしの下腹部を指差すのです。このつぶやきにわたしはドキリ! 赤ちゃんって、自分の誕生時のことを覚えているんだ! 頭が、くらくらしてきました。その後、大きくなってからこのエピソードを息子に話すと、「そんなこと言ってた?」――。
 この絵本を開くと、子どもたちの赤ちゃん-幼少期の思い出が鮮やかによみがえります。(asukab)
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  • おっぱいを飲んでいるイラストが大好き

あかんぼうがいっぱい! (大型絵本―かがくとなかよし)

あかんぼうがいっぱい! (大型絵本―かがくとなかよし)

*1:この頃、彼はわたしのおなかの中のことを「ママのオールドスクール」と呼んでいました。ちょうどプレスクールに通い始めた頃だったので。