ふゆねこさん
絵本『ふゆねこさん (世界の絵本)』(原書『Winter Cat』)は、モノトーンの世界で繰り広げられるお話です。はいいろ猫と子どもたちの交流が、冬のさみしさとぬくもりを通して味わい深く描かれます。
夏生まれのこの猫は、初めての冬を体験します。空からひらひら舞い落ちてくる白いもののことも知らないし、冬というものがどんなものなのかも知りません。何も知らない猫は、にぎやかな子どもたちの姿をただ遠くから眺めていました。
ねこは、こどもたちの こえの きこえるところに います。
「また、あのねこが いるよ。」
「おいで、おいで。」
ねこは、こどもたちに こえを かけられるのは すきです。
でも、そばへ こられると にげだします。
でも、少しずつ、少しずつ。毎日、ゆっくり時間が流れる中で、はいいろ猫と子どもたちの距離は縮まっていきました。冬ってなんだろう、うちってなんだろう――。子どもたちとのふれあいが、ふゆねこさんの抱いていた疑問をやさしくほどいていったのです。
クリスマスのお祝いがさりげなく背景に描かれる、心あたたまる絵本です。うれしいぬくもりが、読後の余韻を包み込みます。(asukab)
amazon:Howard Knotts
- お相撲さんのように大きな灰色タビーがうちにやってきました。そこで、さっそく、ジャムさん*1からご紹介いただいた「ふゆねこさん」を開き、うちの「はいいろ猫」を歓迎しました。
- 作者: ハワード・ノッツ,まつおかきょうこ
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1977/03
- メディア: 単行本
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*1:http://kidsbooks.ring.hatena.ne.jp/ 「えほんずかん」で絵本の紹介をなさっています。すてきな絵本のご紹介を、どうもありがとうございました。