ふゆねこさん

 絵本『ふゆねこさん (世界の絵本)』(原書『Winter Cat』)は、モノトーンの世界で繰り広げられるお話です。はいいろ猫と子どもたちの交流が、冬のさみしさとぬくもりを通して味わい深く描かれます。
 夏生まれのこの猫は、初めての冬を体験します。空からひらひら舞い落ちてくる白いもののことも知らないし、冬というものがどんなものなのかも知りません。何も知らない猫は、にぎやかな子どもたちの姿をただ遠くから眺めていました。

ねこは、こどもたちの こえの きこえるところに います。
「また、あのねこが いるよ。」
「おいで、おいで。」
ねこは、こどもたちに こえを かけられるのは すきです。
でも、そばへ こられると にげだします。

 でも、少しずつ、少しずつ。毎日、ゆっくり時間が流れる中で、はいいろ猫と子どもたちの距離は縮まっていきました。冬ってなんだろう、うちってなんだろう――。子どもたちとのふれあいが、ふゆねこさんの抱いていた疑問をやさしくほどいていったのです。
 クリスマスのお祝いがさりげなく背景に描かれる、心あたたまる絵本です。うれしいぬくもりが、読後の余韻を包み込みます。(asukab)
amazon:Howard Knotts

  • お相撲さんのように大きな灰色タビーがうちにやってきました。そこで、さっそく、ジャムさん*1からご紹介いただいた「ふゆねこさん」を開き、うちの「はいいろ猫」を歓迎しました。

ふゆねこさん (世界の絵本)

ふゆねこさん (世界の絵本)

*1:http://kidsbooks.ring.hatena.ne.jp/ 「えほんずかん」で絵本の紹介をなさっています。すてきな絵本のご紹介を、どうもありがとうございました。