ロージーのおひっこし

 春の絵本が読みたいなあと思い、娘と『ロージーのおひっこし (児童図書館・絵本の部屋)』(原書『Rosy's Visitors』)を読みました。
 暖かくなって子どもたちがまず最初にすることは、裸足で庭を駆け回ること。明るい日差しのもと、足の裏をくすぐるひんやりとした草の感触を確かめることが、たまらなくうれしいようです。家の中のものを外に持ち出すことも大好き。「あれ、枕が見あたらないなあ……」と探していたら、お庭に置いてあったということが、この季節にはよくあります。
 絵本の主人公ロージーも戸外の気持ちよさを感じ取り、おもちゃや毛布を持ち出してお引越しをしようと思い立ったのでしょう。木のうろに作った自分のだけの世界には、夢とときめきがいっぱいです。自然の中で空想と戯れる子どもらしいひとときが微笑ましく描かれ、子どもってこういう気持ちで自然を楽しんでいるのねと思わずにはいられません。持ち出したおもちゃたちが動き始め、蝶々、妖精、小鳥が飛び交い、ハーレキン*1まで登場します。まるで美しい季節をたたえるお祭りが始まったかのよう。
 お話はただそれだけと言えばそれだけのささやかなファンタジーですが、子どもはいつまでも絵本に見入っています。春から夏にかけて読むのがぴったりの絵本です。(asukab)
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  • ハーレキンが登場するのでイースターの頃に読むのがおすすめ

ロージーのおひっこし (児童図書館・絵本の部屋)

ロージーのおひっこし (児童図書館・絵本の部屋)