カリスマ図書司書のおすすめ絵本・児童書

 シアトル公立図書館の図書司書を昨年現役退職したナンシー・パールは、フィギュア(人形)*1まで発売されるカリスマ(というより、こちらではセレブ)ライブラリアンである。大人の読書ガイドとして『More Book Lust: Recommended Reading for Every Mood, Moment, and Reason』を出版し好評を博したが、今春、同様の構成で子ども向け読書ガイド『Book Crush: For Kids and Teens--Recommended Reading for Every Mood, Moment, and Interest』を出した。
 日本でこの種のガイドを出すとなると、書籍の表紙で目を引くことが先決されると思うのだが、ここは米国、非常にプラグマティック。絵柄は分類をわかりやすくするための見出しマークに使用されるだけで、本の書影はどこにも見当たらない。でも、表紙がない分たくさん書籍紹介ができるわけで、読み進めていくとナンシー・パールのおしゃべりを聞いているような錯覚に襲われた。
 年齢の区別は、子ども(絵本)、中学年(児童書)、ティーン(YA)の3つ。フィクション、ノンフィクション、絵本、伝記、自叙伝、ファンタジー、社会問題、スポーツもの……さまざまなカテゴリーが、対象ごとに紹介され、その中にはさらにナンシーらしさたっぷりの視点で付けられた副題が付いていたりする。まさに「自分の好きな本を選んで紹介する」ガイドブックの真髄を行く感じである。たとえ賞の与えられた作品でも、彼女のお気に入りでなければ含まれていず、ここがセレブ司書の才気を放つガイドの魅力だと思えた。(だって、賞リストなんて図書館でパンフレットになっているし、ウェブを利用すればすぐに手に入る。)
 このガイドでおすすめタイトルを教えてもらい、即図書館のカタログ(ウェブ)で予約を入れる。そんな楽しみ方がいいなーと思った。
 こちらにインタビュー記事あり。
amazon:Nancy Pearl

  • ナンシー・パールの公式サイトはこちら:nancypearl

Book Crush: For Kids and Teens--Recommended Reading for Every Mood, Moment, and Interest

Book Crush: For Kids and Teens--Recommended Reading for Every Mood, Moment, and Interest