ひとあし ひとあし
毎朝目が覚めると、きつつきの木を突く音が聞こえる。ここ最近、「また、お仕事しているね」が娘のお決まりのひとこと。とくに朝と夕方、このきつつきは森に響くいい音を聞かせてくれる。数にしてみると、一秒間に「こつ」の音が9回ぐらいかな。「こつこつこつこつ、こつこつこつこつこつ」。うーん、ひらがなで「こつ」にすると間が抜けてしまう。実際の速さは「つつつつ、つつつつつ」という感じだ。鳥のさえずり、鳥の暮らしを伝える音は、紛れもない夏の音。まだ肌寒い日が続くけれど、森は確実に夏に近づいている。
裏庭がにわかに忙しくなる頃、思い出す絵本といえば『ひとあしひとあし―なんでもはかれるしゃくとりむしのはなし』(原書『Inch by Inch』)だ。草の香りと美しい鳥たちの姿。そして、大地を進むしゃくとり虫。見開きごとに描かれる鳥の華麗さとしゃくとり虫の賢さがおおらかな自然界の真理を伝えてくれ、寓話であれ人間はいろいろ考えさせられる。測れないものをあるがままにするのでなく、測ろうと試みてしまうところが人間の性か。なんて考えたりして。
緑と鳥の声に囲まれると、いろいろな思考が頭を駆け巡る。(asukab)
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