The Father Who Had 10 Children パパと10にんのこども

 パパは朝から大忙し。10人の子どもたちのために早起きして朝食を作り、洋服を着せ、学校に連れて行く。(ひゃあ、これは大変!)仕事から戻れば、お風呂、夕食。お話ひとつを聞かせて寝かしつけた後に、パパは自分の夢計画に取り組んだ。それは船を作って、世界一周旅行に出かける夢――。
 子育ては、ほんとうに大変だ。何度も言ってしまうけれど、この体験のあるなしで人生は180度大きく変わってくる。自分の原点がここにあるのだし、言い換えれば、人間の生きる原点がここにある。
 『The Father Who Had Ten Children (Picture Books)』(邦訳『パパと10にんのこども』)のパパがすごいところは、それがわかっていて子どもたちに全力投球し、同時に自分の夢にも全力投球するところ。そして最後に、子どもと夢を重ね合わせるところがさらにすてきなのだった。人間の原点を、このパパはみごとに具現化しているよ。
 カラフルな色と太い絵筆で描かれた輪郭線が奔放で、子どもたちの無邪気さとパパの愛情を自然に表している。「10」という数が10食、10個、20足などと強調される部分は、きっと小さな読者をとりこにするはず。子育ての意味をユーモラスに描く、心あたたまる絵本。(asukab)
amazon:B'en'edicte Guettier

  • もちろん、パパといっしょに読みたい

パパと10にんのこども

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