移民の子どもたちと読書

 昨日、記したつづき。移民の子どもたちについて。うちの小学校、移民の割合はどのくらいなんだろう。白系の子どもたちは1-2割。アフリカ系米国人も2割ぐらい。あとはみんな移民で、南米、アフリカ、アジアという順で多い。
 確立した宗教観・価値観を文化背景を持つ子どもたちは、学習にもしっかり取り組んでいる。典型はアジア系。儒教の影響のみならず、インド系、イスラム系の子どもたちも向上心あり。同様にアフリカ系の移民もイスラム教の影響で真剣に勉学に打ち込んでいると思う。読書も一生懸命だ。初級レベルから、すぐに上級レベルに飛躍する。
 一方「この子たちの将来は、大丈夫かな」と心配になるのが、ヒスパニック系の子どもたちだ。もちろん真摯な生徒もいるのだけど、総じて識字文化のなかった歴史的影響からなのか、米国社会で生きていく意味を理解していない生徒が多いような気がする。つらい勉強よりも、パーティ、遊び好きというか。お金があったら、本に使うか、靴や服に使うかの違い。頑張る生徒と怠け者の差が激しいと思う。読書は、なかなか初級レベルから上がれない。家ではスペイン語ばかりで、英語の本を読んでいないのだから当然か。そうして結局、特別教育の生徒として、クラスの学習とは別扱いになるケースが多い。
 どこかの大学のリサーチで、貧困層の価値観について読んだことがあった。この層では、享楽にお金と時間を注ぎ込む傾向がある。その場限りの晴れ舞台を重視して、次のことは考えない傾向。別に高学歴が必要だとは思わない。でもこのままじゃ、この国で幸せな社会生活は送れそうもない。流行のお洋服で身をまとうことより、読書することのほうがずっと大切なのに。米国では「愚か」と映る価値観が、世代を通して伝えられていく。